飲食店に設置する“テラス席”について

2020年10月31日

テラス

飲食店では、屋外に“テラス席”を設けることが可能です。
これは、座席数を増やすためだけのものではなく、あらゆる目的を持って設置されるものです。
今回は、飲食店に設置するテラス席のメリットやデメリット、注意点などについて解説したいと思います。
ぜひ最後までご覧ください。


〇飲食店のテラス席におけるメリット

 

飲食店がテラス席を設けることには、主に以下のようなメリットがあります。

・集客効果が上がる
テラス席は店内の座席と違い、必ず店舗の前を通る方の目に留まります。
そのため、繁盛しているか否かが伝わりやすく、もしテラス席が賑わっていれば、「一度入ってみよう」という気持ちを持ってもらえるでしょう。

・開放感のある空間を提供できる
テラス席は開放的であるため、季節の風や空気を感じながら、食事を楽しんでもらえます。
また、暑い夏や寒い冬でも、冷気や暖気が逃げないように工夫すれば、ある程度利用してもらえます。

・コロナ対策になる
飲食店がテラス席を導入するメリットは、なんといっても“コロナ対策になる”という点でしょう。
これは、屋外にあることで、空気が滞る心配がないのが理由です。

・飲食店のテラス席におけるデメリット
一方で、飲食店のテラス席設置には、以下のようなデメリットもあります。

・天候に左右される
テラスのもっとも大きな欠点は、やはり“天候に左右される”という点でしょう。
大雨などの悪天候の日には、テラス席を利用する方が1人もおらず、少し寂しい外観となってしまいます。

・虫が発生しやすい
飲食店のテラス席は、店内に比べて虫が発生しやすいです。
特に、自然豊かな地域の場合は、料理やドリンクに虫が入ってしまい、来客の評価を下げてしまうことも考えられます。

 

〇テラス席を設置する際の注意点について

 

国土交通省は、コロナ禍の飲食店を支援するため、期間限定で路上利用の許可基準を緩和しています。
つまり、多くの飲食店が、テラス席を設けやすい状況になっているということです。
では、テラス席を設けるために、飲食店はどんなことに注意すれば良いのでしょうか?

・安全の確保
テラス席を設ける際は、まず前面道路の十分な歩行スペースを確保し、交通の妨げにならないようにしなければいけません。
具体的には、交通量が多い場合は3.5m以上、その他の場合は2m以上確保しましょう。
また、前面道路の点字ブロックと、座席が重ならないようにすることも大事です。

・保健所への申請
飲食店はテラス席を設ける際は、保健所に“屋外客席設置届”という書類を提出しなければいけません。
これは、テラス席付きの飲食店を開業する場合、またはすでに開業している飲食店にテラス席を追加する場合に提出するものです。
また、前者の場合は設計図を持参し、前もって保健所に事前相談をする必要があります。

・清掃などの協力
テラス席を設置する場合、店舗周辺の美化に積極的に協力することも重要です。
また、綺麗にすることだけでなく、その街の人々が気持ち良く利用できるような仕組みを考えることも大事です。

・席数の制限
飲食店に設置するテラス席の席数は、必ず店内よりも少なくしなければいけません。
これは、火事や地震などが発生したときに、店内の来客を避難しやすくするための措置だと言われています。
また、店内に多くの席数を用意しておかないと、急に悪天候になった場合などに、テラス席の来客を誘導することができません。

 

〇まとめ

 

ここまで、飲食店に設置するテラス席について細かく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
集客効果もあり、コロナ対策にもなるテラス席の導入は、どの飲食店も検討すべきことだと言えます。
もちろん、守らなければいけないルールなどは多いですし、ある程度資金に余裕がないと設置できませんが、コロナ禍の現状を考えれば、まだまだ需要が途切れることはないでしょう。