飲食店の宅配サービスにおける注意点は?
2020年08月28日
コロナ禍における飲食店の戦略として、今や欠かせないものとなっている宅配サービス。
もちろん、導入することでさまざまなメリットを得られますが、これから宅配サービスを開始しようとする飲食店は、注意点についても押さえておきましょう。
そうすることで、飲食店にとってより効果的な戦略となります。
①新規コストが必要になる
飲食店の宅配サービスにおける注意点としては、まず“新規コストが必要になる”ということが挙げられます。
宅配サービスを始める際の選択肢としては、Uber Eatsなどのデリバリーサービスを利用する方法と、自店で独自に配達をする方法がありますが、どちらを選んでも若干の新規コストがかかります。
具体的には、容器やカトラリー、袋やおしぼりなどの備品購入費、宅配用の自転車やバイクの購入・レンタル費、配達員の人件費などです。
もちろん、これらは宅配サービスを提供し続ける限り、継続してかかるコストであるため、目先の利益ばかりを追わず、まずはいくらくらいコストが増えるのかを計算しましょう。
宅配サービスの導入で売上を圧迫するような場合は、メニューや金額の見直しも必要です。
②メニューに工夫をする必要がある
飲食店の宅配サービスにおける注意点には、“メニューに工夫をする必要がある”ということも挙げられます。
宅配サービスとイートインの大きな違いとしては、やはり料理完成から食べるまでの“時間”が挙げられます。
宅配の場合、料理を作ってから利用客が食べるまで、早くても数十分かかるケースが多く、飲食店は少し冷めても美味しく食べられる工夫、あるいは見た目を良くする工夫を施さなければいけません。
例えば、普段は最初からソースをかけて提供している料理には、ソースのみ別容器で提供したり、ソースの粘度を上げて配達中にこぼれにくくしたりといった工夫を施しましょう。
③新しいマニュアルを作る必要がある
“新しいマニュアルを作る必要がある”ということも、飲食店の宅配サービスにおける注意点だと言えます。
コロナ禍の昨今、これまでまったく宅配や持ち帰りサービスを提供していなかった飲食店が、次々とその業界に参入しています。
ただ、このような飲食店の場合、宅配・持ち帰りのマニュアルを一からしっかり作らないと、利用客に不満を抱かせることになるため、注意しましょう。
例えば、宅配用メニューの調理マニュアル、盛り付け・梱包マニュアル、配達マニュアル、接客マニュアルは、必ず作成しなければいけません。
また、マニュアル作成から導入へと移るには、従業員に対する周知とトレーニングも必要になります。
〇新たに営業許可を取る必要はあるのか?
飲食店が宅配サービスを提供する場合、新たな営業許可は必要なのかについて、気になっている方もいるでしょう。
結論から言うと、店内で調理した料理をそのまま配達するだけなら、新たな営業許可はいりません。
ただ、宅配で新しい商品を取り扱う場合は取得しなければいけないこともあるため、注意しましょう。
例えば、宅配でアルコール類を販売する場合は、“酒販売業免許”を取得しなければいけません。
店内でアルコール類を提供する場合、基本的には飲食店営業許可を取得すれば問題ありませんが、宅配で提供する場合はそういうわけにもいきません。
また、パンやケーキといったデザートメニューを調理し、宅配するのであれば、“菓子製造業”の許可も必要です。
〇まとめ
ここまで、飲食店の宅配サービスにおける注意点をいくつか解説してきましたが、いかがだったでしょうか?
これらの注意点を把握せず、「流行りだから」「導入してみたいから」といった理由だけで、宅配サービスの導入に着手するのは危険です。
そうしてしまうと、思いの外コストが高くなってしまったり、利用客からのクレーム増加、利用客の減少に繋がったりする可能性が高くなります。