店舗を借りる際に支払う“保証金”について
2019年06月19日
店舗を賃貸する場合、賃料や仲介手数料などさまざまな“店舗取得費用”がかかります。
そんな店舗取得費用の1つに該当するのが、今回解説する“保証金”です。
今回は店舗を借りるときに支払う保証金とはどんなものなのか、またどれくらいの金額なのかなどについて解説します。
○店舗を借りるときに支払う“保証金”の概要
店舗を借りるときに支払う保証金とは、居住用の賃貸物件を借りるときに支払う“敷金”とほぼ同じ性質を持つ金銭のことを言います。
つまり、“担保”として借主が貸主に預けておく資金だということです。
例えば店舗の経営が苦しくなり、滞納してしまった賃料の相当分などは、この保証金から差し引かれることがあります。
また店舗の賃貸借契約を終了する際にかかる原状回復費についても、場合によってはこの保証金から差し引かれます。
ちなみに店舗を借りる場合、ほとんどの物件で保証金の支払いを求められます。
○保証金の金額はどれくらい?
保証金の金額は、店舗物件における賃料の2~10倍ほどの金額であるケースが多いです。
ただ駅チカの店舗物件や人気の立地にある店舗物件などでは、賃料の20倍を超える保証金の支払いを求められる場合もあります。
つまり保証金は、店舗取得費の中でもかなりのウエイトを占める金銭になり得るということです。
もちろん、保証金の金額が極めて低い店舗物件も存在します。
したがって、できる限り店舗を賃貸するための費用を抑えたいという方は、保証金の設定金額が低い店舗物件を探しましょう。
保証金なしで借りられる店舗物件もないとは言い切れませんが、保証金なしの物件ばかり探していては、店舗の開業までに時間がかかってしまいます。
○保証金の返金に関する注意点
保証金は、基本的に店舗の賃貸借契約をするタイミングで、まとめて支払わなければいけません。
また保証金は、店舗の賃貸借契約を終了させる際に、すべて借主に返金される場合がありますが、契約書の内容によっては、すべて返金されないこともあります。
例えば契約書に“償却分”という項目がある場合、その店舗物件を借りたときに支払った保証金のすべてではなく、あらかじめ決められた一定の金額が、借主に返金されることになります。
したがって店舗物件を借りる際は、必ず契約書の項目について確認し、どれくらいの保証金が返金されるのかをチェックしておきましょう。
特に支払う保証金の額が大きい店舗物件の場合は、注意が必要です。
○保証金は値下げしてもらえるのか?
保証金は賃料と同じように、入居を申し込むタイミングで交渉すれば、値下げしてもらえる可能性があります。
したがって店舗物件を借りる際は、賃料の値下げ交渉にばかり注力せず、保証金の値下げ交渉も同時に行うべきだと言えます。
保証金の値下げ交渉ができるかどうかは、その店舗物件の状況によります。
例えば、入居希望者が集中しているような人気の店舗物件では、なかなか値下げしてもらえないことが予想されます。
また以前の借主が賃料の滞納を頻繁に繰り返していたり、貸主とトラブル起こしていたりした場合も、なかなか保証金の値下げには応じてもらえないでしょう。
そして入居を申し込むタイミングに交渉できなかった場合、後になって交渉するのは難しいことも理解しておきましょう。
ただ先ほども触れたように、保証金は賃料の○○倍という風に設定されていることが多いため、賃料を値下げしてもらえれば、必然的に保証金の金額も下がることが多いです。
○まとめ
店舗を借りる際に支払う保証金について解説しましたが、理解していただけたでしょうか?
店舗を借りる場合、保証金を計算に入れていないことによって、店舗取得費が大幅に予算をオーバーする可能性があるため、注意しましょう。
また契約終了時に保証金をすべて返金してもらいたいのであれば、契約書を事前にチェックし、なおかつ賃料を滞納することなく、大切に店舗物件を使用するようにしましょう。