店舗を居抜きする際に起こりやすいトラブル
2018年11月09日
店舗の居抜きは、コストを削減し尚且つ店舗をオープンさせるまでの期間も短縮出来ます。
売り手にとっても、店舗を閉店させる為のコストが削減でき、買い手から受け取れる利益がある方法の為、非常に人気があります。
しかし店舗を居抜きする際は、気を付けないと様々なトラブルに巻き込まれてしまいます。
今回解説するのは、店舗を居抜きする売り手が遭遇する可能性のあるトラブルです。
○店舗を居抜きする際に売り手に起こりやすいトラブル①急なキャンセル
買い手による急なキャンセルは、店舗を居抜きする際売り手に起こりやすいトラブルのひとつです。
店舗を居抜きする際、売り手は仲介業者に申込をして、買い手のオーナーを募集します。
そこで買い手が見つかれば、売り手は物件のオーナーに退去する旨を伝え、居抜きに向けての準備を行います。
ただもし売り手が物件のオーナーに退去する旨を伝えた後にキャンセルが起こると、売り手は大きな損失を被る事になります。
店舗の居抜き以外で退去する場合、設備を全て処分し、何もない状態(スケルトン物件)にしてから退去しなくてはいけません。
解約期間中に新しい買い手が見つかれば別ですが、そのまま結局見つからなかった場合、売り手は計算外の出費を余儀なくされるのです。
従って、店舗の居抜きをする売り手は、買い手との居抜き契約の際、キャンセルが出来る期間についてのルールを決めておくべきでしょう。
○店舗を居抜きする際に売り手に起こりやすいトラブル②事前に情報が漏れる
他にも、店舗を居抜きする売り手に起こりやすいトラブルはあります。
例えば店舗の居抜きを計画している段階で、その店舗における従業員にはその計画を伝えてない状況だとします。
ここで従業員に“居抜きを計画している”という情報が漏れてしまうと、売り手のオーナーの従業員の間でトラブルが発生してしまう可能性があります。
従業員は店舗が居抜きされるという事を知った訳なので、当然次の働き先を探す為に退職しようと考えます。
従業員が次々に退職してしまうと、売り手のオーナーは居抜きの買い手を見つけるまでの期間、店舗を営業する事が困難になってしまいます。
そのまま買い手が見つからず、結局居抜きによる売却が出来ずに店舗を閉店するしかなくなるという事も考えられます。
○店舗を居抜きする際に売り手に起こりやすいトラブル③原状回復費のトラブル
例えば、居抜き物件から居抜き物件への移転を考えている売り手のオーナーがいるとします。
売り手のオーナーは、現在利用している物件も居抜き物件なので、設備の劣化した部分のみを修理・回復して、退去しようと考えていたとします。
ただその物件のオーナーとの賃貸契約に、退去時はスケルトン物件にしなくてはいけないという記載がある場合、話は別です。
これだと居抜きの“コストを削減出来る”というメリットが半減してしまいますので、契約内容はしっかり把握しておきましょう。